複数の人材会社が退職勧奨を指南 (2016年3月7日)
国が人材会社24社を対象に緊急調査を実施し、リストラ対象者との面談を担当する社員向けに研修を実施したり、退職勧奨マニュアルを提供したりするなど、退職勧奨を指南する会社が複数存在することがわかった。この問題をめぐっては、王子ホールディングスが子会社のリストラについて「労働移動支援助成金」を受給し、再就職支援事業を受託したテンプホールディングスの子会社がリストラを支援していたことが問題視されていた。厚生労働省は同助成金の支給要件の厳格化を検討するとしている。
就労経験のある女性の約3割がセクハラ被害 (2016年3月7日)
厚生労働省がセクハラ等に関する初の実態調査を実施し、就労経験のある女性のうちセクハラ被害を受けたと答えた人が28.7%に上ったことがわかった。セクハラの内容で多かったのは「容姿や年齢、身体的特徴について話題にされた」(53.8%)や「不必要に身体に触られた」(40.1%)などで、女性の対応で最も多かったのは「我慢した、特に何もしなかった」(63.4%)だった。同省は来年度、全国の47労働局に相談窓口を新設し、企業への行政指導や啓発を強化するとしている。
有給休暇の取得促進へ官民が目標 (2016年3月7日)
経団連は、政府の成長戦略に協力する観光支援策の一環として、労働者が休日に出かけやすくするため年次有給休暇の1人当たり消化日数を3日増やす方針を明らかにした。加盟企業などに消化率向上を呼びかけ、休日と休日の合間に休みをとったり週末の休みに有休をあわせて取得したりすることなどを促す。また、文部科学省は親子で休みを取って旅行しやすくするため、各小中学校がそれぞれの判断で休日を柔軟に設定できるように通達を出す。官民による有休取得向上策で、旅行消費の喚起を促す。
2020年までに「短時間正社員制度」導入企業を2倍に (2016年2月29日)
厚生労働省は、所定労働時間が正社員よりも短い「短時間正社員」を導入する企業を増やすための方策を明らかにした。導入企業の割合を2020年までに29%(2014年10月時点:14.8%)とする数値目標を設け、企業が制度を導入しやすくするため、就業規則のひな型を作成したり、企業の導入実例をまとめたりする。
「法人番号」活用で社会保険未加入企業を特定へ (2016年2月29日)
厚生労働省は、社会保険未加入企業をなくすため、今年4月から法人番号を活用する方針を明らかにした。2017年度末までにすべての未加入企業を特定して悪質な企業には立入り検査を実施し、強制加入させる方針。現在、未加入の疑いのある企業は約79万社とされ
「同一労働同一賃金」でガイドライン策定、法改正へ (2016年2月29日)
安倍首相は、正規・非正規の雇用形態の違いにより差を設けず、同じ仕事には同じ賃金を支払う「同一労働同一賃金」の実現に向け、不合理な賃金格差の事例を示したガイドラインを策定することを表明した。また、パートタイム労働法や労働者派遣法、労働契約法の改正も検討するとしている。
厚労省がハラスメントの相談窓口を一本化へ (2016年2月22日)
厚生労働省は、関連する法律が異なるため現在は別々の部署が担当している「マタハラ」「セクハラ」「パワハラ」などハラスメント(嫌がらせ)に対応する相談窓口を、2016年度から「雇用環境・均等部(室)」に一本化し、全国47労働局に新設する方針を明らかにした。
正社員数が8年ぶりに増加 (2016年2月22日)
総務省が2015年の「労働力調査」を発表し、正社員数が8年ぶりに増加したことがわかった。新たに働き始める女性や高齢者が増えたほか、パートやアルバイトから正社員に転換するケースも多かった。雇用者数は、正社員が前年比26万人、非正規社員が同18人増加した。増加数で正社員が非正規社員を上回ったのは21年ぶり。
「同一労働同一賃金」実現に向け法改正検討へ (2016年2月22日)
安倍総理大臣は、「同一労働同一賃金」(同じ仕事に対しては同じ賃金を支払うこと)を実現させるため、労働契約法、パート労働法、労働者派遣法の3法について改正を検討していく方針を示した。5月にまとめる予定の「1億総活躍社会に向けた中長期計画」に方向性を盛り込む考え。
バス事業者監査業務効率化のための仕組み導入 国交省方針 (2016年2月15日)
長野県でのスキーツアーバス事故を受け、国土交通省は、監査の実効性を高めるための方針を示した。監査業務の効率化を目的として、バス事業者に対し監査に必要な書類をリスト化して一定の場所に保管することを義務付ける。また、監査で法令違反が見つかった場合に改善状況を約30日以内に報告させる仕組みを導入して、行政処分までの時間短縮を図る。
第2子以降の児童扶養手当加算額が最大2倍に (2016年2月15日)
政府は、ひとり親家庭に支給する児童扶養手当について、第2子以降の加算額を増やすことなどを盛り込んだ児童扶養手当法改正案を閣議決定した。2016年12月支給分から、所得に応じて第2子加算額を最大1万円(現在5,000円)、第3子以降の加算額を同6,000円(現在3,000円)に拡充する。
2016年度診療報酬決定 中医協が答申 (2016年2月15日)
2016年度の診療報酬改定について、中央社会保険医療協議会(中医協)が厚生労働大臣に答申を行った。「かかりつけ薬剤師」の仕組みの新設や在宅医療推進や退院支援に積極的に取り組む病院への加算増など、「地域包括ケアシステム」の実現を誘導しつつ中長期的に医療費抑制に結び付くと期待される項目について報酬が上積みされている。
年金相談業務改善のため事前予約制を導入 (2016年2月8日)
日本年金機構は全国の年金事務所の事前予約を一括して受け付ける電話予約センターを新設し、年金相談を原則事前予約制にすることを明らかにした。相談業務の待ち時間解消がねらいであり10月をめどに開始する。このほか、離島や山間地でのテレビ電話の導入や年金事務所の分室(サテライト)の設置を2017年秋に予定している。
2016年度 協会けんぽ保険料率は据え置き (2016年2月8日)
協会けんぽは、2016年度の平均保険料率を10%(労使折半)に据え置くことを決定した。都道府県別の保険料率は、新潟県の9.79%が最も低く、佐賀県の10.33%が最も高い。
2015年の有効求人倍率1.20倍 24年ぶりの高水準 (2016年2月8日)
2015年の有効求人倍率(平均)は1.20倍(前年比0.11ポイント増)だったことが厚生労働省の発表で明らかになった。人手不足を背景に1991年(1.40倍)以来、24年ぶりの高水準となった。総務省が同日発表した完全失業率(速報値)は3.4%(同0.2ポイント減)で、1997年以来、18年ぶりの低い水準だった。
がん患者の退職防止に向け指針策定へ (2016年2月1日)
厚生労働省は、がん患者が仕事と治療を両立できるよう、医師が仕事内容を把握し、短時間勤務などについて企業側に配慮を求める仕組み作りを検討する。現在、がんと診断された後に退職する人は3割超。同省は今年2月にも指針を示す考え。
企業の個人情報活用に新指針作成へ (2016年2月1日)
政府は、企業が個人情報を活用するための指針を策定し、新たな商品やサービスの開発を後押しする方針を示した。匿名加工したデータは本人の同意がなくても、住所は都道府県まで、生年月日は誕生年までであれば他社へ提供することができるとし、ビッグデータ関連産業の育成とプライバシー保護とを両立するねらい。
企業内保育所の助成条件の緩和を検討 政府 (2016年2月1日)
政府が「子ども・子育て会議」を開催し、社員向けの保育所を整備しやすくするための新たな助成計画を示した。新設の企業内保育所に対して、一定数の保育士を配置するなどの条件を満たした場合に地域の子どもを受け入れなくても整備費や運営費、テナント賃料を補助できるようにする。2017年度から実施する予定。
厚生年金 故意の加入逃れに刑事告発を検討 (2016年1月25日)
塩崎厚生労働大臣は、厚生年金への加入逃れをしている事業所への立入り検査を強化し、悪質な事業主については刑事告発を検討する方針を明らかにした。刑事告発はこれまでも法律上は可能だったが、実施した例はなかった。加入逃れの可能性のある約79万事業所について、すでに厚生労働省・日本年金機構による調査が行われている。
定年延長と均等待遇の推進で有識者会議立上げ 厚労省 (2016年1月25日)
厚生労働省は、1月中にも「定年延長」や「均等待遇」を柱とした有識者検討会を立ち上げる方針を示した。具体的には、企業が定年を延長した場合の補助金を手厚くすることや、正規・非正規労働者の格差是正を図る案が出ており、3月をめどに報告書をまとめる考え。
国民年金保険料を100円程度引上げ (2016年1月25日)
厚生労働省は、自営業やパートで働く女性の出産に際して産前・産後の保険料を免除する制度の財源に充てるため、2019年度から国民年金保険料を月額100円程度引き上げる方針を示した。3月にも国民年金法改正案を提出する見込み。国民年金保険料は2017年度まで毎年引上げられ、それ以降は固定されることになっていたが上乗せの負担となる。
社会保険料負担増で賃上げ効果が半減 経団連調査 (2016年1月18日)
経団連の調査で、従業員への賃上げの半分近くが社会保険料の負担 増により打ち消され、手取り収入が伸び悩んでいることがわかった。2014年度の年収ベースの平均給与額は563万7,000円で、2012年度の552万3,000円に比べ11万4,000円増えた一方で、社会保険料が5万2,000円増加していた。
マタハラ防止を企業に義務化へ 今国会成立見込み (2016年1月18日)
政府は、妊娠・出産を理由とする不利益な扱いである「マタハラ」の防止策を企業に義務付ける方針を明らかにした。「相談窓口の設置」や「上司に対する研修の実施」などを求める。具体策や防止 措置の対象となるマタハラ行為は省令や指針で定める考え。今国会で男女雇用機会均等法と育児・介護休業法を改正し、2017年4月からの施行を目指す。派遣社員も対象となり、違反企業名の公表も盛り込まれる。
マイナンバー 自治体窓口での代行記入を認める (2016年1月18日)
厚生労働省などが、マイナンバー制度における窓口での運用にかかる通知を昨年末までに相次いで全国の自治体に出していたことがわかった。国民健康保険などの手続きにおいて、申請者がマイナンバーを把握しておらず提示がない場合に、窓口の職員らが住民基本台帳ネットワークで番号を調べて書類への記入を代行することなどを認める内容。生活保護、介護保険などに関しても同様の措置を認める。
マイナンバー通知カード 未配達558万世帯分 (2016年1月12日)
マイナンバー制度の運用が1月からスタートし、自治体の窓口での「個人番号カード」の交付も始まった。一方、日本郵便は、昨年10月から配達が始まった「通知カード」について、配達時に不在だったり、実際に住んでいなかったりして手渡しできなかった558万世帯分(全体の約1割)を発行元の市区町村に返したと発表した。総務省は、通知カードが手元になくてもマイナンバーが記載された住民票の発行などで対応できるため、「制度全体に支障はない」としている。