働き方改革法案修正 中小への配慮を付則で追加 (2018年4月2日)
自民党厚生労働部会は29日、働き方改革関連法案を了承。政府は4月6日にも閣議決定し、今国会での成立を目指す。党内には時間外労働の上限規制等の中小企業への適用が経営に影響を及ぼすとして反対意見があったが、労基法改正案に中小企業の実態に配慮した助言・指導をするという付則を加えることで、ようやく了承にこぎ着けた。
税・社会保険手続のオンライン一括申請化の方針固まる (2018年4月2日)
政府は、企業が行う税・社会保険の手続きをオンラインで一括して行えるようにする方針を固めた。30日に開催される未来投資会議で報告する。現在は12%にとどまる行政手続のオンライン化を進め、ひとつの窓口へ申請すれば税務署、地方自治体、年金事務所、ハローワークなどの関係機関が情報を共有できるようにする。
働き方改革関連法案を修正し、労働時間の把握を企業に義務付け (2018年3月26日)
厚生労働省は、今国会への提出を目指している働き方改革関連法案の一部を修正し、長時間働いた従業員が労働安全衛生法に基づく医師の面接指導を受けられるよう、労働時間の把握を企業に義務付ける規定を盛り込む方針を固めた。当初は省令で定める予定だった。裁量労働制の対象拡大を法案から全面削除するのに伴い、裁量労働制で働く人の健康確保措置の強化策も削除されることを踏まえた措置。
建設業の労働環境改善に向け人件費加算へ (2018年3月26日)
国土交通省は、建設業界の労働環境改善策をまとめ、2018年度から国が発注する工事で週休2日を確保した場合、人件費の5%分、建設機械のリース費の4%分をそれぞれ上乗せして支払うとことを決めた。社会保険未加入企業には、建設業の許可や更新も認めない方針。今夏までに仕組みを決めるとしている。
年金 マイナンバー活用が再延期へ (2018年3月26日)
日本年金機構がデータ入力を委託した情報処理会社が、多数のデータ入力ミスや中国の業者に無断で再委託していたことが相次いで発覚した問題を受けて、3月中に開始予定だった機構と自治体とのマイナンバーの情報連携が当面延期されることがわかった。機構は委託業者の管理手法や監査体制を見直す。
労働条件を学べるスマホアプリ作成 厚労省 (2018年3月19日)
厚生労働省は、労働条件に関する法律や制度を学べるスマートフォン向けの無料アプリ「労働条件(RJ)パトロール!」を作成した。会社側と従業員側のやりとりからクイズ形式で法令違反の場合を指摘する内容。クイズと連動して関係のある法令が一覧される機能もあり、労働条件等についての相談窓口の連絡先もアプリから確認できる。
中退共が3年ぶりに退職金を上乗せ (2018年3月19日)
厚生労働省は、2018年度の中小企業退職金共済制度(中退共)について、約3年ぶりに退職金を上乗せ(0.44%)して支給することを明らかにした。株価の上昇などで運用益が出たことなどによる措置。
石綿被害の「一人親方」も救済 初の判決 (2018年3月19日)
建設資材のアスベスト(石綿)を吸って肺がんになったとして、元建設労働者らが国と建材メーカーに損害賠償を求めていた訴訟の控訴審判決が東京高裁であり、元労働者に加えて「一人親方」ら個人事業主への国の賠償責任も新たに認定されたことがわかった。一人親方を幅広く救済した判決は初めてのこと。
年金130万人に過少支給 (2018年3月12日)
年金の2月支給分において、約130万人の受給者について所得税の控除がなされず、支給額が本来より少なかったことがわかった。 日本年金機構が対象者に送っている控除を受けるための申告書の様式や記入方法が今年大幅に変更され、記入漏れや未返送が続出したため。
「業務改善助成金」を見直しへ (2018年3月12日)
厚生労働省は、最低賃金を引き上げる中小企業向けの「業務改善助成金」について2018年度から見直しを行い、時給を30円上げた企業に従来の2倍(最大100万円)を助成する方針を明らかにした。
正規・非正規の待遇格差を初判断へ (2018年3月12日)
正社員と非正社員の待遇格差が違法かどうか争われた2件の訴訟 (長澤運輸事件、ハマキョウレックス事件)の上告審で、最高裁 第2小法廷が双方の意見を聞く弁論期日を4月に指定したことがわかった。非正社員が待遇格差の是正を求めた訴訟は、地裁や高裁で判断が分かれており、最高裁が初判断を示す見通しとなった。
「地域限定正社員」の普及を企業に要請へ 厚労省 (2018年3月5日)
厚生労働省は、「地域限定正社員」の導入を企業に要請する考えを明らかにした。学生の就職後のミスマッチを防ぐのがねらいで、キャリアパス等の待遇に関する情報開示についても求めていく考え。3月中に若者雇用促進法に基づく指針等を改定する方針。
女性の給与が過去最高に (2018年3月5日)
厚生労働省が2017年の「賃金構造基本統計調査」の結果を発表し、フルタイムで働く女性の平均月給が24万6,100円(前年比0.6%増)となり、4年連続で過去最高を更新したことがわかった。男性は33万5,500円(同0.1%増)で、男女間の格差は2年連続で最小を更新した。また、正社員と非正社員の格差は、非正規で働く女性が増えた影響で広がった。
「裁量労働制」の拡大 今国会での提出を断念 (2018年3月5日)
安部首相は、裁量労働制の対象拡大に関する内容を「働き方改革法案」から切り離し、今国会への提出を断念する方針を明らかにした。不適切データ問題への批判が高まり世論の理解が得られないと判断したため。高度プロフェッショナル制度や時間外労働の上限規制、同一労働同一賃金を含などについては、引き続き今国会での法案成立を目指す。
「裁量労働拡大」「高プロ」の施行時期延期を検討 厚労省 (2018年2月26日)
厚生労働省は、働き方改革関連法案に盛り込む「裁量労働制の対象大」と「高度プロフェッショナル制度の新設」について、施行時期を1年遅らせ、2020年4月とする検討を始めた。裁量労働制に関するデータが不適切だった問題で国会審議が混乱しており、周知・対策等の期間を確保し、法案成立に理解を求める構え。
「契約社員への扶養手当不払いは違法」大阪地裁が初判断 (2018年2月26日)
日本郵便の契約社員ら8人が、同じ仕事内容の正社員と手当等に格差があるのは労働契約法に違反するとして計約3,100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は、扶養手当など3種類の手当の不支給を違法と判断し、計約300万円の支払いを同社に命じた。弁護団によると、正社員と非正規社員の待遇格差をめぐり扶養手当の不支給を違法とした判決は初めて。同社は判決を不服として控訴した。
「100平方メートル以下喫煙可」受動喫煙対策案を了承 (2018年2月26日)
自民党の厚生労働部会は、受動喫煙対策を強化する健康増進法の新たな改正案を了承した。既存の小規模飲食店については、厚生労働省が昨年示した当初案より大幅に規制を後退させ、個人経営か資本金5千万円以下で客席100平方メートル以下であれば、「喫煙」「分煙」を表示すれば喫煙を認める。同省は今国会に改正案を提出し、2020年4月の全面施行を目指す。
「親会社の責任は状況次第」セクハラで最高裁 (2018年2月19日)
グループ会社で発生した従業員間のセクハラについて、被害の相談を受けた親会社に責任があるかが争われた訴訟の判決で、最高裁判所は被害女性側の訴えを退けた。親会社の責任について「相談時の具体的状況や窓口の体制によっては適切に対応すべき信義則上の義務を負う」とし、今回のケースでは親会社の責任を認めなかった。
フリーランス契約の問題事例を公表 公取委検討会 (2018年2月19日)
公正取引委員会の有識者会議は、いわゆる「フリーランス」など企業に比べ立場の弱い個人の働き手を保護するため、独占禁止法を適用する、問題のある事例を報告書として公表した。企業側が過剰な秘密保持義務を課すケースや、一方的に報酬を減額するケースなどを、優越的地位の乱用などに抵触するおそれがあるとした。
厚生労働省が転職情報サイトを運営へ (2018年2月19日)
厚生労働省は経済産業省と連携し、2019年度にも無料職業情報サイトを立ち上げることを明らかにした。転職市場の活性化を目的とするもので、米国政府が運営する職業情報サイト「オーネット」を参考にする。AIを活用して最新情報を収集・更新し、転職希望者に500職種から最適な職業やその詳細を提示する。
非正規にも正社員と同じも手当・休暇を要求へ 郵政労組 (2018年2月13日)
日本郵政グループ労働組合(JP労組)は、今年の春闘で、これまで正社員のみに支給されてきた5つの手当(扶養手当、住居手当、 寒冷地手当、年末年始勤務手当、隔遠地手当)について、非正規 社員にも支給するよう求めることを決めた。正社員だけが取得できる「夏期・冬期休暇」などを非正社員も取得できるようにすることも求める。約20万人の非正規社員全員が対象。
実質賃金が2年ぶりに低下 平成29年勤労統計調査 (2018年2月13日)
厚生労働省が平成29年の「毎月勤労統計調査」の結果を発表し、 物価変動の影響を除いた実質賃金指数が前年を0.2%下回り、2年ぶりに低下したことがわかった。名目賃金にあたる労働者1人 当たり平均の月額の現金給与総額(パートを含む)は31万6,907円(前年比0.4%増)と4年連続で増えたが、消費者物価指数は前年より0.6%上昇した。
30時間以上の残業時間 割合最多は「運輸・郵便業」 (2018年2月13日)
パーソル総合研究所が、計6,000人の会社員を対象に行った長時間 労働に関する実態調査の結果を発表し、1カ月に30時間以上の残業をしている一般社員の割合が最も多かったのは「運輸・郵便業」(37.7%)だったことがわかった。繁忙期1カ月平均の残業時間では、「情報通信業」が約42時間、「運輸・郵便業」が約39時間だった。係長級以上の上司層では「建設業」(54.2%)が最も多く、「製造業」(51.7%)、「運輸・郵便業」(50.0%)が続いた。
国民年金未納者の強制徴収 対象者を拡大へ (2018年2月5日)
日本年金機構は、国民年金保険料の未納者の財産を差し押さえる強制徴収の対象を拡大する方針を、社会保障審議会(年金事業管理部会)で示した。今年4月から、年間所得300万円以上で未納期間カ月以上の人とする考えで、対象者は今年度の約36万人から1万人程度増える見込み。
税・社会保険手続の一括電子申請システム構築へ (2018年2月5日)
規制改革会議の行政手続部会は、税・社会保険などの手続きをオンラインで一括申請できる法人認証基盤の構築等の案を示し、了承された。新システムでは電子署名を不要とし、企業や個人事業主に付与するIDとパスワードを活用してもらう。今年度中に計画をまとめ、2020年度の導入を目指す。