「同一労働同一賃金」に関する相談窓口を設置へ 厚労省 (2016年8月29日)
厚生労働省は、各都道府県に同一労働同一賃金に関する相談窓口を設置する方針を示した。「非正規雇用労働者待遇改善支援センター」(仮称)として、2017年度中の業務開始を見込む。運営は各都道府県の社会保険労務士会などに委託し、年内に策定される予定のガイドラインを基にアドバイスを行う考え。
3年連続で「入職者数」が「離職者数」を上回る (2016年8月29日)
厚生労働省が2015年の「雇用動向調査」の結果を発表し、昨年1年間に就職や転職などで新たに職に就いた人が774万9,000人、離職した人が713万1,000人となり、3年連続で入職者数が離職者数を上回ったことがわかった。
働く人の8%がLGBT 連合調査 (2016年8月29日)
連合が初めて行った「LGBT」に関するインターネット調査(調査対象:全国で仕事をしている20歳〜59歳の男女1,000人)で、働く人の8%がLGBTの当事者であることが明らかになった。連合は、LGBTに対する職場での差別禁止やハラスメント防止についての法制化を目指す方針を示している。
厚労省が「働きやすさ」が一目でわかるサイト開設へ (2016年8月22日)
厚生労働省は、どの企業で女性が活躍しているか、有給休暇の取得率が高いか等の「働きやすさ」が一目でわかるデータベースを作成し、2018年中にそれらを公表するサイトを開設する方針を示した。すでに女性活躍への取組みや若者の就労促進に積極的な企業の情報を集めたデータベースを開設しているが、新たに作るサイトではこれらを1つにまとめ、情報量や検索機能も大幅に拡大する。
外国人技能実習生に対する法令違反が過去最多 (2016年8月22日)
厚生労働省は、2015年における技能実習生に対する労働関係法令違反があった事業所が3,695(前年比718増)で、最多となったことを明らかにした。立入調査は5,173事業所に対して行われ、最も多かったのは長時間労働(1,169事業所)で、安全基準違反(1,076事業所)が続いた。同省は悪質な事業所に対する摘発を強化する方針を示している。
「受入れ人材育成支援奨励金」を拡充へ (2016年8月22日)
厚生労働省は、労働移動支援助成金の1つである「受入れ人材育成支援奨励金」を拡充することを決めた。同奨励金は「再就職援助計画」などの対象となった労働者を雇い入れて訓練を実施した事業主に対して助成するもので、年内にも助成額を最大で2倍増やし、1人雇うごとに80万円を支給する方針。
厚生年金・国民年金の決算収支 3.2兆円の赤字 (2016年8月17日)
厚生労働省が2015年度における厚生年金と国民年金の収支決算(時価ベース)を発表し、合計積立金は3兆2,458億円の赤字だったことがわかった。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が出した5兆3,000億円の運用損が影響した。
社会保障給付費が過去最高の112兆円超に (2016年8月17日)
国立社会保障・人口問題研究所が2014年度における年金・医療・介護などの「社会保障給付費」を発表し、112兆1,020億円(前年度比1.3%増)で過去最高を更新したことがわかった。高齢化に伴う介護サービス利用者の伸びが目立っており、今後も増加が見込まれる。
介護を行う労働者の残業免除を義務化へ (2016年8月17日)
厚生労働省は、家族の介護を行っている労働者の残業を免除する制度の導入を企業に義務付ける方針を示した。来年1月施行の改正育児・介護休業法に基づく省令で実施する予定。介護されている家族の状態は「要介護2」以上で、就業規則に明記することを求める。指導に従わない場合は企業名を公表する考えで、「介護離職ゼロ」の実現を目指す。
大卒者の就職率が6年連続で改善 (2016年8月8日)
文部科学省が「学校基本調査(速報値)」の結果を発表し、今春大学(学部)を卒業した約55万9,000人のうち就職した人は約41万8,000人で、就職率(74.7%。前年比2.1ポイント増)が6年連続で上昇したことがわかった。同省は「企業が新規採用に前向きで雇用環境が改善し、就職者が増加した」と分析している。
改正個人情報保護法の政令・規則案を公表 保護対象を明確化 (2016年8月8日)
個人情報保護委員会は、改正個人情報保護法の政令・規則案を公表した。DNAや顔、指紋などの身体的特徴に加え、マイナンバーや旅券番号、免許証番号、基礎年金番号などの公的番号も個人情報に当たると明示し、個人情報保護の範囲を明確化している。また、企業が個人情報を匿名化して活用する外部に提出する際のルールも定めている。今月末までに意見公募を行い、今秋にも制定する見通し。
マイナンバーカード 海外でも利用可能に (2016年8月8日)
総務省は、マイナンバーカードの所有者が国外に転出してもカードの機能を利用できるようにする方針を明らかにした。カードのICチップの機能として、インターネットの専用ページ(マイナポータル)で銀行手続や年金情報の閲覧が可能となる予定だが、国外に転出するとカードを市町村に返納し、機能は失効するため、海外でも使えるようにする。来年の通常国会で関連法を改正し2019年の実現を目指すとしている。
2017年度から雇用保険料引下げ 経済対策の一環として政府方針 (2016年8月1日)
政府は、経済対策の一環として、雇用保険料率を2017年度から数年 間にわたり引き下げることを決めた。企業側の負担を軽減することにより最低賃金の引上げに向けた環境を整えるためのもので、引下げ幅は年末までに詰める。併せて、雇用保険の積立金が財源となっている育児休業時の給付金を拡充する方針で、給付金を受給できる育休の期間を半年伸ばし、最長2年とすることが検討されている。
無年金者救済策「2017年度中に確実に実施」政府経済対策案に明記 (2016年8月1日)
政府は、年金受給資格を得られる加入期間を10年に短縮する無年金者救済策について、「2017年度中に確実に実施できるよう法案を提出する」ことを明記した経済対策案を与党に示した。今秋の臨時国会での関連法案の提出を目指す。必要な予算額は、年間約650億円(約64万人分)となる見込み。
正社員との手当格差「一部違法」待遇差の違法性について高裁初判断 (2016年8月1日)
正社員と同じ業務内容であるにもかかわらず手当に格差があるのは、有期契約を理由とする不合理な労働条件を禁じる労働契約法20条に反し違法だとして、契約社員の男性が是正を求めていた訴訟で、大阪高裁は、正社員のみに限定した一部手当の支給を違法と判断した。判決は、各手当について転勤の有無など「立場に関わるか」に基づき判断すべきと指摘。一部手当について雇用期間を理由に正社員のみに支給することは不合理であるとした。
雇用保険料率0.6%への引下げで調整 (2016年7月25日)
政府は、7月にまとめる経済対策に盛り込む雇用保険料率引下げについて、下げ幅を0.2ポイントとし、現行の0.8%から0.6%とする方向で調整に入った。引下げが実現すると、労使の保険料負担はそれぞれ4,000円ずつ減る計算。政府は今後、労働政策審議会の議論などを経て来年の通常国会に改正案を提出する方針。
LGBT支援法が臨時国会提出へ (2016年7月25日)
自民、公明両党が、性同一性障害や同性愛などの性的マイノリティー(LGBT)への理解を促すための支援法を秋の臨時国会にも提出する。関係省庁が連携して理解促進のための施策を具体化することなどを盛り込む。ただ、差別を禁止する法整備は難しいと判断し、理念法にとどめる。野党を含む超党派での提出も呼びかける方針。
私立認可保育所の保育士賃上げへ助成拡充 (2016年7月25日)
政府は、国が定める人員基準より多い保育士を雇用し、平均勤続年数15年以上の私立認可保育所への国からの支援を300〜500万円上乗せすることを決め、7月中に制度の詳細を自治体に通知する。厚生労働省は、私立保育所の約10%が対象になるとみている。現在保育士は年間約4.9万人が就職する一方、3.3万人が離職しており、今回の助成拡充は、保育士の定昇を促すことで定着率を引き上げるのがねらい。
高齢者の医療費負担増を検討開始 (2016年7月19日)
厚生労働省が社会保障審議会(医療保険部会)を開催し、高額療養費制度と後期高齢者の窓口負担の見直しを柱とする制度見直しの議論を開始した。高額療養費制度については年内に結論を出し、政令改正で上限を引き上げ、来年度にも実施する。後期高齢者の窓口負担については2割へ引き上げるべきとの意見も出た。
中小企業の賃金上昇率1.1% (2016年7月19日)
厚生労働省は、中小企業(従業員30人未満)における今年の賃金上昇率が1.1%だったことを発表した。最低賃金について議論する公労使の会合で示したもので、上昇したのは2年ぶり。有効求人倍率が上昇し、パート募集時の賃金が上がっていることなどが影響したとみられる。
「働き方改革」の原案が明らかに (2016年7月19日)
安倍政権の経済対策の目玉として盛り込まれる「働き方改革」の原案が明らかになった。消費押上げのため、最低賃金の3%引上げや雇用保険料の引下げ、女性や高齢者の社会保険料の労使負担軽減といった働き手の所得を増やす項目のほか、残業時間の上限設定、「同一労働同一賃金」や「解雇の金銭解決」導入のような生産性向上を促す項目が盛り込まれた。
国民年金基金を統合へ (2016年7月11日)
国民年金基金が、都道府県ごとにある47の「地域型基金」と25の「職能型基金」の一部を統合する検討を始めたことがわかった。2019年4月に新設する基金に他の基金を統合させ、運営の効率化を図る。合併条件を調整したうえで来秋の代議員会での意思決定をする方向。合併後も保険料や支給額に変更はない予定で、加入者は都道府県をまたぐ転居による手続きが不要になる。
保育士志望者の現場育成に賃金助成実施へ (2016年7月11日)
厚生労働省は、保育士不足の解消を図るため、保育士になりたい人約1万人を保育所に送り、現場で働きながら保育の知識や技術を身につけられるよう、賃金を地方自治体などと助成する方針を示した。パートで働く場合には、国と自治体の負担で働く人に1年分の給与を払う。1保育所あたりの助成額は最大で年221万5,000円となる予定。正規職員には賃金相当費用を貸し付け、3年以内に保育士資格をとれば返済を免除する。
「マタハラ懲戒」就業規則に明記促す 厚労省指針案 (2016年7月11日)
厚生労働省は、マタニティー・ハラスメント(妊娠や出産を理由とした職場における嫌がらせ)について、企業が実施すべき具体策として、対処方針を就業規則などに明記し、加害者を懲戒処分とすることなどを求める指針の案を明らかにした。同指針は今年3月に成立した改正男女雇用機会均等法などに基づくもので、 来年1月の施行に合わせて運用を始める。
「賃金の不払いがある」と答えた若者が30%超 (2016年7月4日)
弁護士や労働組合などが中心となって立ち上げた、賃金不払いを一掃しようとするプロジェクト「NO MORE 賃金泥棒」が、アルバイト等で働く若者407人の仕事の実態について調査したところ、「不払いがある」と答えた人が30%に上ることがわかった。賃金が15分単位の切捨てになっていたり、制服への着替え時間が労働時間から除外されたりするケースが見られた。